子と親
子供たち、主に結ばれているものとして両親に従いなさい。それは正しいことです。「父と母を敬いなさい。」これは約束を伴う最初の掟です。「そうすれば、あなたは幸福になり、地上で長く生きることができる」と言う約束です。父親たち、子供を怒らせてはなりません。主がしつけ諭されるように、育てなさい。
奴隷と主人
奴隷たち、キリストに従うように、恐れおののき、真心を込めて、肉による主人に従いなさい。人にへつらおうとして、うわべだけで仕えるのではなく、キリストの奴隷として、心から神の御心を行い、人にではなく主に仕えるように、喜んで仕えなさい。あなたがたも知っている通り、奴隷であっても自由な身分のものであっても、善いことを行えば、誰でも主から報いを受けるのです。主人たち、同じように奴隷を扱いなさい。彼らを脅すのはやめなさい。あなたがたも知っている通り、彼らにもあなたがたにも同じ主人が天におられ、人を分け隔てなさらないのです。
悪と戦え
最後に言う。主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい。悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい。わたしたちの戦いは、血肉を相手にするものではなく、支配と権威、暗闇の世界の支配者、天にいる悪の諸霊を相手にするものなのです。だから、邪悪な日によく抵抗し、すべてを成し遂げて、しっかりと立つことができるように、神の武具を身に着けなさい。立って、真理を帯として腰に締め、正義を胸当てとして着け、平和の福音を告げる準備を履物としなさい。なおその上に、信仰を盾として取りなさい。それによって、悪い者の放つ矢をことごとく消すことができるのです。また、救いを兜としてかぶり、霊の剣、すなわち神の言葉を取りなさい。どのような時にも、”霊”に助けられて祈り、願い求め、すべての聖なる者たちのために、絶えず目を覚まして根気よく祈り続けなさい。また、わたしが適切な言葉を用いて話し、福音の神秘を大胆に示すことができるように、わたしのためにも祈ってください。わたしはこの福音の使者として鎖に繋がれていますが、それでも、語るべきことは大胆に話せるように、祈ってください。
わたしがどういう様子でいるか、また、何をしているか、あなたがたにも知ってもらうために、ティキコがすべて話すことでしょう。彼は主に結ばれた、愛する兄弟であり、忠実に仕える者です。彼をそちらに送るのは、あなたがたがわたしたちの様子を知り、彼から心に励ましを得るためなのです。
平和と、信仰を伴う愛が、父である神と主イエス・キリストから、兄弟たちにあるように。恵みが、変わらぬ愛を持ってわたしたちの主イエス・キリストを愛する、すべての人とともにあるように。
(JCB訳)
子供は両親に従いなさい。神は、親が子供を監督する権威を認めておられるのです。従うのは正しいことです。「あなたの父と母を敬え。」これは、「十戒」の中で対人関係について言われた第一の戒めで、そのあとに約束があります。つまり、「父母を敬うなら、あなたは幸せになり、長生きする」と言う約束です。両親にもひとこと言っておきます。子供を、いつもうるさく叱りつけて反抗心を起こさせたり、恨みを抱かせたりしてはいけません。かえって、主がお認めになる教育と、愛のこもった助言や忠告によって育てなさい。
奴隷は主人に従い、最善を尽くしなさい。キリストに仕えるのと同じようにしなさい。主人の目の前だけで一生懸命に働き、影では怠けるようではいけません。神が望まれることを、心を尽くして行い、キリストのためによく働くように、いつも熱心に喜んで働きなさい。あなたがたは奴隷であろうと自由人であろうと、善い行いには、一つ一つ主が報いてくださることを忘れないように。あなたがたの主も、奴隷の主も同じ方なのです。主は人に差別をしたりはなさいません。
神の武具で身をかためる
最後に、覚えて欲しいことがあります。あなたがたは、自分のうちにある主の全能の力によって強められるようにしてください。悪魔のどんな策略にも立ち向かえるように、神のすべての武具で身をかためなさい。戦う相手は、血肉を持った人間ではなく、肉体のないものたちです。すなわち、目に見えない世界の支配者たち、この世を支配する暗闇の大王たち、それに、天にいる無数の悪霊です。
ですから、いつどんな攻撃にも対抗できるように、神のすべての武具を用いなさい。そうすれば、すべてが終わった時も、なおしっかり立っているでしょう。しかし、そのためには、腰に真理の帯をしめ、神の承認と言う胸当てをつけなければなりません。次に、平和の福音を伝えるために直ちに出発できる、丈夫な靴をはきなさい。どんな戦いにも、守りの盾として必要なのは信仰です。これがあれば、サタンが射かけてくる火矢を消し止めることができます。また、救いのかぶとをかぶり、御霊の下さる剣である神の言葉を手にしなさい。
どんな時も祈りなさい。どんなことでも、聖霊の考えに沿って神にひたすら願い求めなさい。各地に散っているすべてのクリスチャンのために、熱心に祈り続けなさい。
また、わたしのためにも祈ってください。主のことを大胆に告げる時に、適切な言葉が与えられるよう祈ってください。わたしは今、神に託されたこの福音を伝えたために鎖に繋がれています。しかし、この牢獄の中でも、語るべきことを、主のために大胆に絶えず語れるよう祈ってください。
心から愛する信仰の友、主の仕事のための忠実な協力者テキコが、あなたがたにわたしの近況を残らず知らせてくれるでしょう。テキコをそちらへ送るのは、わたしたちの様子を知ってもらい、それを励みにして欲しいからです。
どうか、クリスチャンのみなさんに、父なる神と主イエス・キリストからくる、信仰による平和と愛とが注がれますように。どうか、神の恵みと祝福が、主イエス・キリストを心から愛する、すべての人にありますように。
パウロ